6次化事例 〜春日部野口農園 後編〜

『いつでも“お客さんの笑顔“のために、そして挑戦を支える仲間たち』

 

———ここまでお話を伺っていると、大変なことも多かったように思います。それでも続けてこられた要因としてはどんなことがありますか?

 農園にいらしたお客さんが見せる笑顔ですかね。様々な体験をした後でお客さんが見せる笑顔は自分の大きな活力になってます。「また来ます」というお声を聞けると元気が出てきますよ!

 また、助けてくれる人がいたことも大きいです。きっかけをくれる人・協力してくれる人・励ましてくれる人…これまでのことは自分1人ではできなかったと思います。

 

 このように様々な挑戦をなさっている野口さん。そこには「お客さんに喜んでもらう」という一貫した思いがありました。農園に少しでも長く滞在してもらって様々な体験をしてほしい。この思いから野口さんは農園での体験以外にも「かまどを使用した炊飯」や「ピザ作り体験」、「流しそうめん」「バーベキュー」「動物とのふれあい」と様々な工夫をなさっています。

 このおもてなしで楽しんだ方も多いようで、リピーターが多くいらっしゃるとのことでした。楽しんでもらった方が口コミを広めてくれたり、他のお客様を連れて来てくれたりと良い循環が生まれているそうです。

 

 また、様々なお話を聞く途中で何度も耳にしたのが「仲間がいてくれたから」という言葉でした。お客様はもちろん、農場のメンバーや近所の方々、イベントを通じて知りあった人、遠くにいながらも励まし高め合える人など…数多くの出会いが偶然生まれたものだったようでしたが、様々な挑戦をしている野口さんの姿や心に秘める熱い思いが周りの人の心を動かしたようにも思いました。

 

『 “笑顔”のその先に 〜今後のビジョン〜』

 

今後の展望として野口さんが語ってくださったことは以下の2つでした。

(1)   カフェの展開

 現在は観光農園として摘み取り体験を中心に様々なサービスを提供されている野口さん。ゆくゆくはさらにお客さんを喜んでもらえるように、自家の作物を使用したカフェを出店なさることを目標にしておられました。【お客さんの笑顔を第一にした】カフェ。とても心が温まりそうです。

                          

(2)   法人化

 こちらについては、(前述のように)法人でないと受けられない支援があることや、体制をしっかり構築していく意味でも野口さんは目標としていらっしゃるようでした。

 また、今後もお客様を笑顔にしていくために必要な当面の課題もお話してくださいました。野口さんが抱えている課題としては、「後継者の育成」があるとおっしゃっていました。長年地元で農園をしてきた中で築いてきた関係や野口さんの思いが形になりそうな今の農園そのものを今後も持続させていきたい。そのためにも、思いや農園を引き継ぎ、体現していく後継者を育てることは必要で、ここでも野口さんの新たな挑戦が進んでいました。

  

『6次化をしたことでの変化〜教訓〜』

 

———6次化に取り組んだことで変わったことは何かございますか?

 6次化というと生産から加工、流通までを一手に引き受けなければならないため忙しさは増します。その経験をして今に至っているわけですが、やはり本業の生産あっての自分であると再確認しました。

 

 農家さんはもちろん農作物の生産が第一であり、野口さんがおっしゃっていたことに頷かれる方も多いと思います。核である生産に加え、様々なことを考え形にしていかなければいけないというのは、6次化のハードルを高くしてしまう一因であることを強く感じました。

 

 一方で、「失敗してもめげずに諦めないことが大事」ということもおっしゃっていました。新しい形を実現するため、数多くの挑戦をなさってきた野口さん。表には出なくとも数々の失敗をなさってきたそうです。それでも周りの方々の力を借りながら、より多くのお客さんの笑顔を見るために何度も立ち上がってきたということでした。そんな野口さんの挑戦は今日もそしてこれからも続きます…!

 

【インタビューアー:鎌田知啓】