6次産業化とは?【初級編】

 

こんにちは!MISOマガ編集部です。

 

いきなりですが、6次産業化って聞いたことありますか?

  • なんとなく聞いたことある。
  • 聞いたことあるけどどういうものか説明できない。

そんな人がまだまだ多いのではないでしょうか。

 

この記事を見ているということは、すでに取り組み始めている方もいるかもしれません。

 

 

6次産業化は正しく行うと、今まで以上に多くのお客様に産品をお届けでき、売上向上が見込める方法です。

 

今回、MISO SOUPでは6次産業化初心者の方に、6次産業化の基礎を最低限学べる記事を書きました。

 

これさえ読んでおけば6次産業化がどういったものなのか、周りに説明できるでしょう。

 

それでは始めましょう。

 

(1) 6次産業化の基本

6次産業化とは何か、基本中の基本を解説します。

 

まずは、6次産業化を説明する前に、◯◯産業とは何か説明します。

 

 

第1次産業、第2次産業、第3次産業

産業というのは、3つに分類されています。

 

第1次産業、第2次産業、第3次産業の3つです。

 

自分の仕事がどの産業なのか、考えてみましょう。

 

第1次産業

 農業・林業・漁業など、自然の資源を活用する産業です。生産者はこの第一次産業にあたります。

 

第2次産業

 鉱工業・製造業・建設業などが属します。第1次産業で採取した資源を加工する産業です。食品加工場や、製材屋さんがここにあたります。

 

第3次産業

 1次や2次に含まれないサービス業などを指します。金融、保険、卸売り、小売、サービス業、情報通信業などがこれにあたります。加工された商品を店頭で売ったり、飲食店で提供する産業です。

 

では3つに当てはまらない「6次産業」とはなんなのでしょうか。

 

 

6次産業化とは

6次産業化とは、「1次産業×2次産業×3次産業」というように1次産業〜3次産業を掛け合わせた言葉で、1次産業者が自身で加工・販売まで一体的に取り組み、新たな付加価値を生み出すことです。

 

6次産業化とは農林漁業の生産者(第1次産業)が 加工・ブランド化などで生産物の価値を高め(第2次産業) 自分たちで流通・販売することで利益を向上させる(第3次産業)こと

 

6次産業化=1×2×3
参照:JAあいら様

 

今まで生産だけしていた農林漁業者が加工流通販売に総合的に取り組むことで「付加価値の増加」「中間コストの減少」を目指せます。

 

このように、生産者が自分たちで加工や販売までしていこうとすることを "6次産業化" といいます。

6次産業化という言葉は、東京大学名誉教授の今村奈良臣(いまむら ならおみ)先生が提唱した造語です。

 

当初は1+2+3=6だったのですが、一次産業が衰退(ゼロになる)しては成り立たないことから、掛け算の1×2×3=6となっています。

 

 

農商工連携とは違うのか

「農商工連携」という言葉もあります。

 

これは、1次産業者である農業と、商業や工業が連携して事業拡大・雇用創出をしていこうという取り組みです。

 

6次産業化を説明するときに「農商工連携とは違うの?」と聞かれることがあるかもしれません。

 

これははっきりと「はい」とも「いいえ」とも言えないのが正直なところです。

 

 

農商工連携はその名の通り「連携」をするもの。6次産業化は「独自で1×2×3」をするもの。ちょっとした違いがあります。

 

しかし、6次産業化の中にも「連携」して行うものもあります。

 

農商工連携はそれぞれが利益追求をするため、ビジョンが定まっていないと途中で分解することがあります。

 

それに比べ6次産業化は共通のビジョンや目的があり、「協働」になっているので動きがまとまりやすくなっています。

 

 

結局ははっきりとした違いはなく、農商工連携も6次産業化の一つと言えるでしょう。 

 

 

6次産業化の呼び方

6次産業化は人によって呼び方が微妙に異なります。

 

【6次産業化、六次産業化、6次化、六次化】

 

数字を使う場合と漢字を使う場合、「産業」という言葉を入れる場合と入れない場合。

 

呼び方は異なりますが、同じことを差しています。

 

農林水産省は「6次産業化」で統一しているようなので、このページでも「6次産業化」と呼んでいきます。

 

様々な6次産業化の方法

6次産業化はいくつかの方法や戦略があります。

 

【誰とやるか】【誰に向けてやるか】【付加価値をどうやってつけるか】で分けてみました。

 

【誰とやるか】

①1次産業者が2次産業・3次産業まで単独で行う

 生産者が単独で加工場を持ったり販路を持つタイプです。売上は大きくなる一方で、新たに人員が必要になるなどリスクも伴います。

 

②1次産業者は2次産業・3次産業と手を組んで行う

 今までやってこなかった2次産業・3次産業はプロと手を組み、みんなで6次産業化を行うタイプです。一見今までの外注していたスタイルと変わらなく見えますが、全員で一つの目標を掲げたりビジョンを共有していることが大きな違いです。

 

 

【誰に向けてやるか】

続いて「誰に向けた6次産業化なのか」によって分ける方法もあります。

 

①企業向け

 企業に向けた6次産業化です。企業は「カットまでした(一次加工までした)ネギが欲しい」「長すぎず、緑の部分が長いネギが欲しい」など、大口で特注をしてきます。そこへ応えるように6次産業化します。【1次産業のみ(契約栽培)】【1次産業×2次産業】の場合が多いかもしれません。

例:こと京都のカットネギ

 

②消費者向け

 今消費者向けに6次産業化を行うタイプです。消費者に届けるとなると3次産業が関わってくるので、【1次産業×3次産業】や【1次産業×2次産業×3次産業】の形になります。一番みなさんがイメージしている直接売る6次産業化のタイプです。

例:PAKUCI SISTERS パクチーペースト 

【付加価値をどうやってつけるか】

最後に「付加価値をどうやってつけるか」によって分ける方法もあります。

 

①直売型

 直売することによって付加価値をつけるタイプです。中間業者を入れずに直接売ることで、利幅を最大限大きくすることができます。お客様にとっては安く、生産者にとっては高く売買することができます。

 

②体験型

 体験によって付加価値をつけます。本来10個1000円で売っていたりんごも、りんご狩りにすることで10個3000円で販売することができます。

 

③加工型

 加工によって付加価値をつけます。そのまま売ると値段がつかなかったようなりんごも、加工してジャムにすることで売ることができるようになります。 

六次産業化法とは

6次産業化に携わっていると、六次産業化法という言葉をよく耳にします。

 

六次産業化法とは、「六次産業化・地産地消法」という法律のことです。

 

正式名称は「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律」と言います。

 

以下、農水省ホームページより。

六次産業化法

地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等に関する施策及び地域の農林水産物の利用の促進に関する施策を総合的に推進することにより、農林漁業等の振興等を図るとともに、食料自給率の向上等に寄与することを目的とする。
(1)総合化事業計画(農林水産大臣が認定)
農林漁業者等が、農林水産物及び副産物(バイオマス等)の生産及びその加工又は販売を一体的に行う事業活動に関する計画農林漁業者等の取組に協力する民間事業者(促進事業者)も支援対象
《支援措置 1》農業改良資金融通法等の特例(償還期限及び据置期間の延長等)
《支援措置 2》野菜生産出荷安定法の特例(指定野菜のリレー出荷による契約販売に対する交付金の交付) 等
(2)研究開発・成果利用事業計画(農林水産大臣及び事業所管大臣が認定)
民間事業者等が、上記の事業活動に資する研究開発及びその成果の利用を行う事業活動に関する計
《支援措置 1》種苗法の特例(出願料・登録料の減免)
 《支援措置 2》農地法の特例(農地転用許可に係る手続の簡素化) 等  

 

少し難しいですが、つまり「6次産業化を頑張ろうとしている事業者を様々な面でサポートします」という法律です。

 

6次産業化に取り組もうとする生産者は、総合化事業計画を作成し認定事業者として登録されます。 

 

認定事業者になると受けられるもの

◆6次産業化プランナーによるサポート
◆資金援助
◆施設設備等の手続きの簡略化
◆その他情報提供や研修会などのサポート
 

2011年から始まった認定事業者は、2018年5月31日現在、2,356件まで増えています。

 

 

 

(2) 6次産業化の歴史

なぜ6次産業化が盛んに行われるようになったのでしょうか。

 

6次産業化の歴史についてご説明します。

 

まずは6次産業化に関わる年表から。

 

 

6次産業化年表

1950年代 加工することで付加価値を付けて販売することを行う生産者もいた。「1.5次産業」という言葉も使われる

 

1962年 大山町NPC運動

 

1979年 一村一品運動

 

1992年 女性起業増加、グリーンツーリズムが盛んに

 

1994年 今村奈良臣氏(東京大学名誉教授)が「6次産業化」という概念を提唱。 

 

1999年 食料・農業・農村基本法 制定

 

2008年 農商工連携促進法 制定

 

2010年 6次産業化の市場規模が1兆円となる

 

2011年 六次産業化法 制定

 

歴史の中で、大きく動き始めたのは六次産業化法の制定からです。

 

しかし、法律が定まっただけでなく、6次産業化が必要な時代背景があったからこそ大きく広まったと考えられます。

 

どんな時代の移り変わりがあって6次産業化が求められているのか、大きく【1次産業界の背景】と【社会的背景】の二つに分けて解説します。

 

 

1次産業界の背景

1次産業は「守られてきた産業」と言えるでしょう。

 

他産業の参入を防ぎ、税制面で優遇され、国を挙げて守られてきました。

 

JAの存在のおかげで生産に集中できるようにもなっていました。

 

 

しかし、生産しかやらなくなった生産者たちは経営から離れていき、経営を他者(JAや他産業)に委ねるようになってしまいました。

 

他産業も参入しないため、イノベーションが起きづらく保守的な産業となっていました。

 

そういった時代が続き、世の中からは「3K(きつい、汚い、稼げない)産業」と呼ばれるようになり、どんどんと就農者が減っていきました。

 

1次産業が儲かる魅力的な産業となり、就農者を増やしていく必要性が出てきて、6次産業化に注目が集まりました。

 

《1次産業界の背景まとめ》

  • 前衛的で3Kと呼ばれる産業になってしまった
  • 輸入品が増え、国内消費も落ち込むなど、国内での食品需要が減った
  • 儲けることの難しさから後継者不足、就業人口の減少が進んだ
  • 価格競争に巻き込まれない、価格決定権を持つことが重要になってきた 

魅力的な産業にする必要がある!

6次産業化をしよう!

 

 

社会的背景

消費者の生活の移り変わりや、社会的な背景も関係しています。

 

高度成長期・人口増加、モノへの投資の時代が終わり、徐々に多様性のある時代となってきました。

 

食への関心も「安心・安全」へと移り変わりました。

 

そんな中、どこにでもある食材は輸入品に取り替わり、直接顔の見える食材や持続可能な取り組みをしている生産者が必要になってきました。

 

消費者側からも「直接購入したい」「個性ある食材が欲しい」といった需要が出てきたため、6次産業化が一層加速しました。

 

《社会的背景》

  • メディアだけでなく、口コミを重視
  • 人口減少、少子高齢化
  • モノへの投資からコトへの投資へ
  • 自然が大切にされ、「持続可能」や「有機野菜」がキーワードに
  • 安心安全が求められ、トレーサビリティの確保が必要となる

 

1次産業者の多様性・個性・顔の見える産品が求め始められた

6次産業化をしよう!

 

 

 

(3) 事例

では、今まで6次産業化に取り組んできた事例はどんなものがあるのでしょうか。

 

6次産業化に取り組んでいる事例がいくつかまとまっているページがありましたのでご紹介します。

 

6次産業化の取組事例集:農林水産省

http://www.maff.go.jp/j/shokusan/renkei/6jika/pdf/jireisyu.html

 

6次産業化優良事例66選:野村アグリプランニング&アドバイザリー

http://www.nomuraholdings.com/jp/company/group/napa/data/20140401_b.pdf

 

6次産業化の取組事例集:和歌山県中小企業団体中央会

http://www.chuokai-wakayama.or.jp/6sapo/images/pdf_new/29.3.15/h28jireishu.pdf

 

過去の事例紹介:信州6次産業化推進協議会

https://www.shinshu-6jika.jp/6jika/case

 

 

(4) 6次産業化のメリット・デメリット

6次産業化はどんどん取り組む人が増えていますが、もちろんメリットばかりではありません。

 

デメリットも理解した上で進めていく必要があります。

 

6次産業化をするメリット・デメリットをまとめたのでご覧ください。

 

 

メリット

6次産業化をするメリット

◆ 所得が向上し、経営が安定する
◆ 農作物の生産拡大を目指せる
◆ 新たに雇用ができる
◆ 農閑期の仕事を作ることができる
◆ 中間コストを削減できる
◆ 新たなネットワークや取引が生まれやすい

◆ 社員のやりがいが向上する
◆ 地域からの支援を確保できる
 

 

 所得を向上をさせること、農閑期の仕事を作り雇用を安定させることができるメリットがあるようです。

 

 

デメリット

6次産業化をするデメリット

◆ 新規事業をするための時間をつくる必要がある
◆ 衛生面に問題があった時のリスクが大きい
◆ 大きな投資が必要な場合がある
◆ 在庫リスクが大きい

 

 今までやってこなかった事業に取り組むので、新たな人材・知識・資金が必要となり、挑戦しなければ発生しなかったリスクを背負うことになります。

 

 

こういったメリット・デメリットを理解した上で、6次産業化に取り組みましょう。

 

 

(5) 6次産業化に挑戦しよう!

6次産業化について、少しでもご理解していただけたでしょうか?

 

これからの1次産業は、より6次産業化が必要になってきます。

 

まずは自分たちにどんな6次産業化が合っているのかなど話すことから始めてみましょう。

 

6次産業化を行う時に注意すべきこと

6次産業化を必ず成功させるという手はありません。

 

しかし、失敗しないためのコツはいくつかあります。次のチェックすべきことを必ずチェックしてから6次産業化に挑戦しましょう。

 

  

6次産業化を行う時にチェックすること

☑️ 本当に自分たちに6次産業化が必要か

 

☑️ 6次産業化を進めることで生産がおろそかにならないか

 

☑️ 価格は適正か

 

☑️ デザインは買いたくなるものか

 

☑️ 販売する場所はターゲットに合っているか

 

☑️ 品質は十分か

 

☑️ 自分たちのストーリーや特性が活かされているか

 

☑️ 継続的に続けられる体制はできるか

 

☑️ 営業先、販売先はイメージできているか

 

☑️ 大きすぎるチャレンジになっていないか

 

☑️ 補助金ありきになっていないか

 

☑️ 自分たちにしかできない商品か

 

 

6次産業化に取り組む時には、これらをチェックすると失敗のリスクを減らせるかもしれません。

 

 

相談窓口

6次産業化のことで困ったら、どこに聞けばいいのでしょうか。

 

相談場所をまとめました。

 

(A) 6次産業化サポートセンター

六次産業化法の内容でもある、「6次産業化プランナー」の支援を受けられる支援機関です。 派遣料や交通費などの負担をすることなく、プランナーからアドバイスを受けることができます。 MISO SOUPのプロデューサーもプランナーとして登録しております。

 

【全国のプランナーから選べる】 6次産業化中央サポートセンター:https://rokusapo.com/

【地元のプランナーを選んで派遣してくれる】各都道府県サポートセンター:連絡先一覧

6次産業化中央サポートセンター
6次産業化中央サポートセンターの流れ

 

(B) 加工場、デザイナー、民間コンサルタントなどに依頼

 商品開発の際に関わる加工場・デザイナーなどが6次産業化全体の支援をしていることもあります。外注する時にどこまで支援してもらえるのか聞いてみましょう。

「6次産業化 支援」や「6次産業化 コンサルティング」などのワードで調べてみましょう。

 


いかがでしたでしょうか?

 

6次産業化のことに少しでも興味を持っていただけると幸いです。

 

6次産業化にチャレンジしたい!という方はぜひMISO SOUPへお問い合わせください。