6次化事例 〜オオノ農園 前編〜

  今回お邪魔したのは、千葉県のオオノ農園。落花生で6次産業化を行っていて、こちらで製造された「無糖・無添加 落花生100%ペースト」は6次産業化地域連携賞を獲得し、農水省の「6次産業化事例集」にもその名を連ねる、小規模ながらも6次産業化に成功している農家さんです。

 

 今回私は、オオノ農園に足を運び、その成功の秘訣や、商品化についてのお話や今に至るまでのプロセスを伺ってまいりました。

 

 はたしてオオノ農園の成功の秘訣はなんだったのか?オオノ農園代表取締役の大野俊江さんと、その息子さんの大野雄一郎様をインタビューしてわかったことを、今日はみなさんにお伝えしたいと思います。

『きっかけはお客さんの一言』

 ――――6次化をはじめたキッカケは何ですか?

 はじめたのは15年前ですね。地域の要請で、千葉県の農家として自分たちの農作物を直接販売しに東京に行ったのがきっかけですね。

当時、自分たちはお芋の生産が多かったのですが、直接販売しているとお客さんからは「千葉県なの?だったら、落花生ないの?」と声をかけられることが多かったんです。「千葉県と言ったらピーナッツでしょ?」と。そこで、『なるほど、お客さんは「千葉県はピーナッツ」のイメージが強いのか』『ピーナッツだったら売れるのか』と実感したんです。

 

 

「お客さんは、千葉県のピーナッツを求めている。」そう実感した大野さんは、ピーナッツの生産を増やして直接販売をするようになったそうです。そうすると、ピーナッツ販売量が増え、そこからちょっとずつ生産を拡大し、より多くのピーナッツを活かすためにコーヒー味のピーナッツを作成したり、柿の種を合わせて柿ピーを商品化したりして、商品の幅を増やしていったそうです。 

 

【↑オオノ農園の様子】

『課題と、そこから生まれた新しい商品』

 ――――どうしてピーナッツペーストを作ろうと思ったんですか?

 だんだん売り上げは伸び始めたんですが、少しだけ違和感を感じていたんです。ピーナッツって、メインで食べる食材じゃないんですよね。どこまで言っても、『お菓子』。つまり、食卓に上がらないんですよ。

 それがちょっと悔しいな、と。ピーナッツが食卓に上がるような商品が作れないかな、って考えた結果、毎日食べる朝食にパンを食べる人って多いし、『無添加』とか『無糖』ってところであれば女性にも受け入れられると思って、ピーナッツの甘みを生かしたピーナッツペーストの商品化に取り組みました。

 

 【↑オオノ農園の落花生100%ペースト】

 それでできた商品が、このピーナッツペースト。私も食べて、無添加無糖なので、ピーナッツバターとはぜんぜん味わいが違います。素材本来の味がします。大野さんは、何か調べたわけでもなく、テスト販売をしたわけでもなく、このアイデアを思い付いたそうですが、普段からお客様の声や生活に気を傾けていたからこそ、このアイデアが生まれたように感じました。この、「食卓に上がっていない品目を、商品開発で食卓にあげて消費量を伸ばす」という考え方は、多くのところに応用できそうに思います。

 

 また、大野さんは商品自体が味で勝負できるということが大事ともおっしゃっていました。大野さんの作るピーナッツペーストは、試食をしてもらうと「確かに普通のピーナッツペーストとは全然違う!」と気付いてもらえるそうです。商品自体で勝負できるものを作り、一度味わってもらったらファンになってもらえる着実に愛される商品にすることが大事なのだと思います。

 

 そういったこだわりを持った大野さんのピーナッツペーストは、賞を取って多くの人に買ってもらえるようになるまでに、それほど時間はかからなかったそうです。

(続きは後編へ)

 

【インタビューアー:西岡壱誠】