関東地方農業者へのアンケート結果から 読み取れる、関東地方の農業の実態

 こんにちは!東大3年生の西岡です!

 

 先日僕たちは、関東地方の農業の実態を把握するために関東地方在住の農業者様を対象としてメールでアンケートを行いました。項目は生産物の種類や卸し先といった基本情報から6次化の実施状況までお聞きしました。総計で30軒以上の農業者さまにご回答いただきました。ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました!

 

 質問の内容は以下のリンクからご確認いただけます。まだアンケートも募集中なので、ぜひご回答ください!

https://docs.google.com/forms/d/19-ZAaii_vPVaXaEhSYlkkxI9Syw2j4aVGbG2CXrbNSk/edit

  

 今回は、そのアンケートの結果を見て、「これは意外な結果だ!」「これは多くの方に共有させていただきたい!」と思った項目を抜粋してそのアンケート結果について、お話ししたいと思います。

 

 まず、「これは関東地方の農業の独自性を表しているな」と感じたのが、この質問に対する回答でした。

 

Q 農業を始める前に異業種についてらっしゃった経験はありますか?

 

 質問は、「農業を始める前に異業種についてらっしゃった経験はありますか?」と言うものです。僕は、「卒業してすぐに農家を継ぐ農業者の方が多いのではないか?」と考えていたのですが、結果はこのように、綺麗に「ある」と「ない」がちょうど半分ずつになりました。この結果は、地理的に東京に近くさまざまな業種が集積している関東地方ならではの特徴と言えるかもしれません。ちなみに、具体的には「サラリーマン」「公務員」「福祉関係」「コンサルタント」など、さまざまな業種が見て取れました。異業種についた経験がどのように農家に活かされてらっしゃるのかなどは、また別の記事で考察したいと思います。

  

 次はこの質問です。「農作物をどの地域に卸しているのか」です!

 

Q 農産品を、どの地域に卸してらっしゃいますか?

Q  その中で、一番卸していらっしゃるのはどの地域ですか?

 

 この表からわかる通り、県内の自分の地域外に卸している人の農家さんが多いという結果が得られました。

 一番卸しているのは自地域内(51.2%)のようですが、県内の他地域や県外に卸す割合が高い農家さんも多くいらっしゃるようです。県外地域に一番卸す農家さんの割合も一割近く存在しているというのですから驚きです。やはり、東京以外の県から東京へ、または関東北部3県(群馬・栃木・茨城県)の農家さんが関東南部4県(埼玉・東京・神奈川・千葉)に卸すことが多いのだと考察できると思います。

 

 「関東地方は大市場である東京の近くにあるから、近郊農業が盛んである」……というのは小学校の社会の授業で習うことではありますが、こんなに多くの方が自分の農産品を自地域外の市場に流通させているのですね。

 

 それと合わせて、こんな質問もしてみました。「『都市部』に行く割合はどれくらいですか?」です。

※『都市部』という言葉は定義が曖昧ですが、ここでは「東京23区と県庁所在地」としております。

 

Q 『都市部』のどの市町村に行くことが多いですか?

Q 『都市部』に農業関連のお仕事で行く頻度はどれくらいですか?

 

 この結果は、「東京23区」と答える人が圧倒的に多かったです(70.6%)。お仕事で『都市部』を訪れる頻度も高いようです。75%以上の農家さんが、半年に一度以上は大都市圏に足を運ぶそうです。しかも、都市部に行く目的も、市場調査や直接販売・新規坂路の開拓がメイン。やはり東京23区という大市場を意識した農業を行う人が関東近郊には多いと考えられます。

 

  

 さて、お次は「6次産業化について」の質問です。

 大市場近郊では、商品の情報や市場のニーズが入りやすく、直接販売に行くことも他の地域に比べてハードルが低いと考えられます。はたして、関東地方の6次産業化はどのように進展しているのでしょうか?

 

 まずは「6次産業化に取り組み始めたのは何年前ですか?」という質問をしてみました。

 

Q 6次産業化を取り組み始めたのは何年前ですか?

 

 すると、1-5年目なのが21.4%、6-10年目なのが42.9%と、6次化をはじめて10年経っていない人の割合が64.3%という結果になりました。他と比べてみないとわかりませんが、この数字は近郊農業による直接販売を行う関東地方の農家さんが多い中では、少ない数字なのではないかと感じました。これは他地域へのアンケートの結果も見ながら地域ごとに特徴があるかどうかとった分析もできそうですね。

 

  次に、重要に気になる売上に関しての質問もしてみました。6次産業化に取り組まれた後の、売上と利益の変化について聞いてみました。

 

Q 6次産業化を始めたことで、売り上げが伸びましたか?

 

 このグラフを見ると、「売上増・利益増」と答えている人が57.1%と非常に多かったです。「売上増・利益減」でも28.6%と多め。売り上げが明確に減っている農家さんはいないようです。結構儲けになるようですね。

 

Q どのような6次産業化に取り組んでいらっしゃいますか?

 最後に6次産業化の種類です。結果は「直接販売(対面)」が64.3%と予想通り高い数字でした。予想外だったのが、「直接販売(インターネット)」が57.1%とかなり高い数字だったことです。対面販売で儲けられることが多いと考えられる関東地方で、インターネットでの販売まで行っている農家さんが多いそうなのです。これは色々な仮説が考えられますが、もしかしたらITインフラや情報産業が集積している東京に近い関東地方だからこそ、この数字なのかもしれませんね。

 

 今回は関東地方の農業者様を対象として行ったアンケート。その結果だけでも大都市圏である東京近郊ならではの傾向が見られました。それと同時にこれらの傾向が関東地方のみに見られるのか、それとも他の地域でも見られるのかといった疑問が生じたのも事実です。今後同様のアンケートを各地域で実施することで、より多角的な考察をしていきたいと思います!