アンケート結果から探る6次産業化の実態〜関東地方ver〜

【1】はじめに 〜結果を見る前に〜

みなさんこんにちは!

MISO SOUPインターン生の鎌田です。

今回は以前実施した関東地方の農家様への6次産業化(以下6次化)に関するアンケート結果(前回の記事はこちらに基づき、様々な観点で集計を行うことで6次化成功の秘訣に迫ってみようと思います。6次化は直接販売や加工など手段が様々あり、売り先についても自分の住む地域から遠方まで多岐にわたるとされています。手法や売りが様々ある中で確立された方法がないのもまた事実であり、6次化を始めようとする方へのハードルが高くなっている側面もあると思います。

 

そこで今回はすでに6次化されていて事業を伸ばしている方がどういった共通項目を持っている方達か、いくつかのトピックを調べることで、探っていきたいと思います。

※本記事内で出典としているアンケートについては2018年7月〜9月に関東地方の農家様を対象に行わせていただいたものです。(n=34)詳細につきましては以下のリンクよりご覧下さい。

 

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScG5r1wiUiE3-HvepdFI7IExXRhtKJrTYPtMiADn_QYdII74g/viewform

【2】〜6次化の実態に迫る!〜

ここでは6次化を実施している農家様の属性に焦点を当てたのちに、6次化を実施する中で成功の指標の1つとなる「(6次化を行うことで)売上増・利益増」となっている方々の共通項を取り上げてみたいと思います。果たして実際の現場はどのような6次化が展開されているのでしょうか?

 

 

【2-1】まずはここから! 〜6次化実施状況との関連性は…?〜

始めに農家様の属性の中で「農業を始めた年数」「異業種経験の有無」という2点に着目して6次化に従事される方々の共通項を見ていきたいと思います。

 

□農業を始めた年数×6次化の実施状況  

 

6次化を実施していると回答されている方は10〜30年がボリューム層となっています。

今回、回答してくださった方の農業実施年数が短い方によっていた面はあると思いますが、この結果を見ると10年弱の間は農業1本で地道に基礎を固め、生産の基盤が整った後に次の展開の新規事業として6次化に取り組まれる方が多いという傾向がつかめます。

□異業種経験×6次化の実施状況  

 

当初、6次化に取り組まれている農家の方は、他業種から参入された方が多いのではないかと考えていたのですが、結果をみると一概に「異業種経験がある方が6次化を実施する上で良い」といった訳ではなさそうです。異業種経験あり6次化している方は約30%、異業種経験なしで6次化している方は約60%でした。上の基盤作りと関係しているのかもしれませんが、ずっと農業をされていた方の方が生産の基盤作りは出来ていて、次の展開に移っているという傾向が出ているのかもしれません。

 

一方、6次化はしていないけど、やってみたいと思う方は、異業種経験ありの方で50%を超えていました。どのような業種にいたかを聞いたところ、コンサル、出版などで農業とは離れた方もいたので、このような方が生産の基盤作りが進み、6次化に取り組まれたら、既成概念にとらわれないで6次化が生まれるかもしれませんね。

【2-2】6次化成功へのカギ〜「売上増・利益増」への着目〜

ここでは多様な質問項目の中から、「6次産業化をはじめたことで売り上げが上がりましたか?」に着目し、多くの人が気になるであろう売上や利益について考えてみたいと思います。特に「売上増・利益増」とお答えになった方々の傾向を中心に調べていきたいと思います。この方々に共通している項目は果たしてどのようなものなのでしょうか。次項以降で確認してみたいと思います。

 

□6次化に取り組もうとしたきっかけ(複数回答可)

まず、どのようなきっかけをお持ちになって6次化に取り組まれたのか、を見てみたいと思います。始めるための1番の動機としては「価格決定権の確保」「地域貢献のために雇用創出」が多かったです。「価格決定権の確保」に関して考えてみると、市場流通がメインで、市場価格に左右されてきたところ、自分達の作った産品を自分達でしっかりと値付けして売っていきたいという意向の方が増えてきたのかもしれません。それを打破する一手という明確な理由を持って6次化に取り組まれてのかもしれません。

 

また「地域貢献のために雇用創出」に関して考えてみると、自社の農場の利益だけでなく、地元や地域というより大きな枠組みを良くしたいという思いを持って取り組まれた人が、結果的に売上も利益も増えているようです。大きな思いを持って取り組まれることで、周りの方の協力が得られやすかったり、自分自身の姿勢もまた違ったものになってきたりするのかもしれませんね。

□ブランド化・差別化の工夫

 

続いて、ブランド化・差別化の戦略について見ていきたいと思います。

この結果をみると、安心・安全や鮮度や価格だけではなく、「産地や生産者のアピール」や「商品名・デザインの工夫」などに力を入れた人が多いみたいです。安心・安全や鮮度は農家なので、当たり前のものとしってそれ以外の独自性や付加価値やアイデンティティをどう作り出すのかが重要なのかもしれませんね。

消費者目線に立ってみると、商品を生産する過程にストーリーがあったり、生産者の想いを知れることは商品を選択する際の判断軸になると思いますし、最近だとSNS上での口コミも購買において重要な要素となっていますので、口コミで流行るきっかけとしてもストーリーやフレーズはポイントだと思います。



□6次化成功への道〜克服すべきポイントとは?〜

続いて「6次化を行う過程における課題」で、現時点では順調に事業化を進めている農家様がこれまでどのような課題を感じてきたのかについてまとめてみました。

 

これを見ると売上も利益も伸ばしている方でも、商品開発・コスト・ブランド・認知/販路開拓など、多方面に課題を抱えているようです。6次化は自分達で商品を企画・開発し、そのための仕組みを整え、売り先も探さなければいけないため、価格決定権を持ち・売上や利益が増える可能性がある一方で、様々な場面で様々な予想もしないような課題が多く発生します。売上や利益が順調に伸びている方でさえ、このように色々な課題を感じているということを考えると、根気強く、特にはまわりの人に協力してもらいながら、しっかりと1つ1つ解決しながら着実に前に進んでいくことが重要なのだと思います。

【3】最後に〜今後の調査の展望〜

今回は関東地方の農家様にアンケートを行い、都心部と他地域との関係性や6次化成功へのヒントを紐解いてみました(ご協力くださった皆さま、ありがとうございます)。集めらえた回答数がやや少なくなってしましましたが、いくつか発見が得られました。中でもブランド化・差別化に関しては、これまで以上に商品(生産品)1つ1つに特徴が求められることが明らかになり、農業が新たな局面に突入したことを感じました。

調査や集計を行う過程において、今回見られたような傾向や発見は関東地方特有のものなのか、はたまた全国各地の農家様で当てはまるものなのか。ここにつきましては、機会あれば全国にも目を向けてみたいと思います。